小椋 一宏

代表取締役社長兼CTO

1975年、東京都杉並区出身。6歳で初めてコンピュータに触れ、面白さに魅了される。小学3年生の時には日本中でファミコンブームが巻き起こるも、ファミコンは買い与えられず悔しい思いをする。小学校高学年の頃、父親からパソコンの統一規格「MSX」を買ってもらい、ゲーム作りに没頭。ゲームのプログラミングが書かれた雑誌を図書館で借りてきて、毎日何時間もMSXにプログラミングを打ち込むうちに、少しずつコードを理解していく。

中学入学後は、自作したゲームのBGMを作るミュージックプログラミングに熱中し、完全なオタクとして成長する。一方、思春期の進展につれて「男性としての競争力に欠ける(モテない)」ことを自覚し、桐朋高校1年生の時にMSXを庭に埋めてパソコンと決別。人生の再出発を決意する。その後はバンド活動や学園祭の委員活動に励み、青春を謳歌する。高校在学中にバブル崩壊を目の当たりにし、漠然と日本経済への危機感を覚えて経済学部を志す。1年間の浪人生活中、ふと立ち寄った秋葉原電気街で、自身がパソコン断ちしていた3年の間で目覚ましく進化したパソコンの性能技術に衝撃を受け、再びパソコンに興味を抱く。

1994年に一橋大学経済学部に入学。世間ではインターネットが一般に普及し始める中、プログラマーのアルバイトをしていた研究所が組織内のパソコンをネットワークでつなぐことになる。その際、ネットワーク機器販売業者との折衝を通して「自分ならもっと安くできる」とビジネスの可能性を予感する。「学生でも知識と柔軟さがあれば、大企業を上回れる」と起業を決意し、ホームページを立ち上げて仲間を募る。

大学3年生だった1996年、集まった学生・社会人とともに5人でHENNGEの前身「ホライズン・デジタル・エンタープライズ」を起業。法人向けにサーバーやネットワーク販売などを手がけ、1997年に株式会社化。同年、代表取締役社長に就任する。

培ったプログラミング技術を生かし、上場企業では珍しいとされる、代表取締役社長とCTO(最高技術責任者)を兼任する。2010年ごろには企業のクラウド化の流れを予見し、クラウドセキュリティサービス「HDE One」(現・HENNGE One)の開発に尽力。エンジニアの採用にも重点を置き、公用語を英語化することで世界中から優秀な人材の確保に努めている。「優秀な技術者はドクターペッパーが好きなはず」との信念の元、フリードクターペッパー制度を策定した。

「日本の企業としてグローバル化を目指す」との思いを込め、1年のうち360日を和装で過ごす。ITの可能性を強く信じており、今後もITのノウハウや情報をお客様に届け、企業理念である「テクノロジーの解放」を実現する会社であり続けたいと決意している。

3児の父親で、2019年には育休を取得した。人生で一番の笑える失敗は、大学受験の際、願書を出し忘れて受験できなかったこと。