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HENNGEは2021年10月、主力製品のSaaS認証基盤 「HENNGE One」 を大幅にアップデートしました。
新たに追加された機能で何ができるようになったのか、 West Japan Sales Sectionの斉藤秀樹さんにお話を伺いました。
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そうなんです! ①脱PPAP対応、 ②標的型攻撃対策、 ③テレワークセキュリティ対策の強化――の3機能です。
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どれも最近話題のトピックですね。 どんな背景でアップデートに至ったのですか?
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「コロナ禍で顕在化したニーズに応えよう」 というのが一番の背景です。 コロナで多くの企業がテレワークを導入してSaaSを使い始めた一方、 クラウド活用の課題に直面するケースも多く、 それらの解決策になればと考えました。
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早速、 一つ目の新機能 「脱PPAP対応」 の 「HENNGE Secure Download」 について教えてください。
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まず、 PPAP問題についてご説明しますね。 PPAPとは、 パスワード付きのZIPファイルをメールに添付して送信後、 別メールでパスワードを送信するセキュリティ対策手法を指します。
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幅広い企業や行政などで使われてきた、 ファイル送信の手法ですよね。 何が問題になっているんですか?
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セキュリティ対策としての 「効果の薄さ」 です。
添付ファイルとパスワードが同じ通信経路 (メール) で送られるため、 ハッカーは2通とも中身を盗み見できる可能性が高くなります。 また、 ZIP暗号化されたファイルは中身のウイルススキャンができないので、 マルウェア (悪意のあるプログラム) の侵入を許してしまうんです。
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PPAPは、 送受信の際に余計な手間も掛かりますよね。 2通目のパスワードを送り忘れたり、 届かなかったり、 解凍する際はその都度パスワードを入力したり 。 。
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それも問題の一つですね。 2020年11月には、 平井卓也デジタル改革担当大臣 (当時) が 「PPAPを官公庁でやめる」 と発言し、 「脱PPAP」 の動きは官民問わず広がっているんです。
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「HENNGE One」 の新機能では、 どうやって 「脱PPAP」 するんですか?
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簡単に言うと、 「メールの宛先に含まれる人だけがファイルをダウンロードできる仕組み」 を開発しました。 PPAPではできなかった 「ファイルとパスワードが違う経路を通る」 と 「ファイルのウイルススキャンができる」 も実現できます。
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送受信の流れを、 具体的に教えてください。
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ファイルをメールに添付して送ると、 添付ファイルは自動的にクラウドストレージ上で一時保管され、 相手には本文とダウンロードURLが届きます。 相手がURLをクリックすると認証画面が表示され、 メールアドレスが自身のものだと確認できればOKボタンを押します。 そうすると認証コードが届き、 ファイルをダウンロードできるという仕組みです。
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これならメール本文、 添付ファイル、 認証コードが全て違う経路を通るので、 安心ですね!
ネットでの買い物など色々なサービスで2段階認証には慣れているので、 使いやすそうです。
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認証コードはメールの宛先に含まれるアドレスにしか届かないので、 第三者がメールを盗み見てURLをクリックしても、 肝心のコードは受け取れません。
受信者は初回は認証が必要ですが、 2回目以降は認証不要なので、 余計な手間も掛かりません。
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ところで、 脱PPAPの方法として、 BoxやDropboxといった外部クラウドストレージを使う方法もありますよね?
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はい。 ただ外部ストレージの場合、 送信者側が過去に送ったファイルを確認するには、 都度URLをクリックする手間が掛かります。 また、 監査の際に監査者が抽出したメール内のURLをクリックしても、 期限切れで監査できないという可能性もあります。
「HENNGE Secure Download」 なら、 送信済みトレイやアーカイブ保管されるメールデータには添付ファイルがそのまま残るので、 ファイル検索が簡単にできます。
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PPAPのメリットは残した形なんですね!
次に、 二つ目の新機能 「標的型攻撃対策」 の 「HENNGE Cloud Protection」 について教えてください。
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「標的型攻撃」 とは、 機密情報を盗み取ることなどを目的に、 特定の企業や組織を狙い、 マルウェア付きのメールを送りつけることです。
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企業が不正アクセスに遭い、 顧客情報を盗まれたというニュースが時々話題になっていますね。
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東京商工リサーチの調査によると、 2020年に上場企業とその子会社で発生した情報漏洩 ・ 紛失事故103件のうち、 理由として最も多かったのは 「ウイルス感染 ・ 不正アクセス」 で約半数を占めたんです。
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そんなに。 脱PPAPして安全にファイル共有できたとしても、 不正アクセスされてデータを盗まれては意味がないですよね。
「HENNGE Cloud Protection」 では、 どうやって標的型攻撃を防ぐんですか?
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標的型攻撃はメールを利用するケースがほとんどなので、 Microsoft 365のOutlookなどと連携し、 受信/送信時のメールに不審なファイルやURLがないかをチェックすることができます。
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具体的にはどんなチェックができるんですか?
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添付ファイルをクリックすると不審な振る舞いをしないか、 メール受信前にサンドボックスで振る舞い検知できます。 送信者が過去にマルウェアを送っていないかなども調べ、 安全性が確認できたメールだけを受信します。 Microsoft 365に対してAPI連携する構成のため、 カレンダーやタスクなどに不審なURLがないかや、 Outlookの転送設定がおかしくないかなどのチェックもできます。
他にも、 Microsoft 365のIDやパスワードの漏洩もチェックもできるんですよ。
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これだけチェックが手厚いと安心ですね。 ところで、 こういうセキュリティ機能は、 Microsoft 365でも提供されていますよね。
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はい。 ただ、 サンドボックスや振る舞い検知まで行うには追加契約となるため、 企業は莫大な投資が必要です。 「HENNGE Cloud Protection」 は、 「必要な機能だけを安価に購入したい」 というニーズに応えているんです。
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痒いところに手が届くサービスですね!
3つ目の新機能は、 今話題の 「テレワークセキュリティ対策の強化」 ですね。
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はい。 最近はテレワーク導入に伴い、 PCやスマホなどに電子証明書を発行し、 証明書がある端末からのみクラウドサービスへのアクセスを許可する 「アクセス制限」 を導入する企業が増えました。
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でも、 全ての業務アプリが電子証明書に対応はしていないので、 制御は難しいですよね?
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そうなんです。 そこで 「HENNGE Lock Plus」 が代わりに多要素認証機能を提供します。
「HENNGE Lock Plus」 にアプリの認証をまとめれば、 アプリの種類を問わず、 多要素認証やデバイス証明書による 「脱パスワード」 が実現できるんです。
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安全なテレワークを加速させる機能ですね!
3つの新機能についてよく理解できました。 「HENNGE One」 は企業様にとってどんなサービスになると思われますか?
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正直わからないです (笑) 理由は、 「HENNGE One」 は 「変化」 し続けるからです。
働き方や企業様のニーズはこれからも益々 「変化」 をしていくと確信しています。 「HENNGE One」 はそうした 「変化」 をきっちりと捉え、 各企業様が 「変化」 していく際に、 私たちが提供するテクノロジーで下支えをしっかりとできるサービスとして今後もあり続けるようにします!
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まさにHENNGEのビジョン 「テクノロジーの解放」 ですね!
これからも 「HENNGE One」 を多くの企業様に使っていただき、 その便利さを世の中に広げていきたいですね。 本日はありがとうございました!
※HENNGEでは一緒に、 変化する・チャレンジする、 メンバーを募集しています。 募集中の職種に関してはこちらをご参照ください。
「HENNGE One」 が大幅にアップデートされましたね!どんな新機能が追加されたのですか?