HENNGE がサポートを続ける「PyCon」

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HENNGE は、 プログラミング言語 ・ Python (パイソン) に関する国際カンファレンス 「PyCon(パイコン)」 に、 長年協賛しています。 世界中で開かれているPyConとはどんなイベントで、 HENNGE はなぜサポートを続けているのでしょうか。

今回は、 社長兼CTO (最高技術責任者) の小椋さん、 日本で開催される 「PyCon JP」 の運営組織 「一般社団法人 PyCon JP Association」 で理事を務めるHENNGE メンバーのJonasさん、 HENNGE でPyCon JPのスポンサー窓口を担当している郡司さんにお話を伺いました。

小椋さんこんにちは! HENNGE は2014年以降、 シンガポールや台湾、 オーストラリア、 イタリアなど延べ9カ国 ・ 地域 (日本を除く) のPyConに協賛していますよね。 日本企業が海外のイベントのスポンサーを務めるのは珍しいと思うのですが。 。

こんにちは。 とても珍しく、 日本企業だとHENNGEくらいだと思います。
2018年にPyConコロンビアに協賛したんですが、 協賛を申し込んだ当初は、 詐欺か何かだと疑われたらしいです。 日本の企業が協賛する理由が分からないと(笑) それだけ前例がないということですね。

コロンビアの方もびっくりされたでしょうね(笑)

2018年のPyConコロンビアの様子。 スポンサーとして、 HENNGEの前身 ・ HDEのロゴが展示されている

そもそも、 日本を含め世界中のPyConに協賛しているのはなぜなんですか?

理由は大きく二つあります。
一つは、 自分たちがオープンソースの恩恵を受けているからです。
HENNGEのサービス開発では、 エンジニアの約半数がPythonを使っています。 自分たちがオープンソースの恩恵を受けているのだから、 オープンソースコミュニティを応援するのは当たり前、 との文化が会社に根付いているんです。

オープンソースへの 「恩返し」 ですね。

その通りです。 今後もコミュニティを盛り上げ、 Pythonを広めていくためには誰かがサポートしないといけない。 じゃあお世話になっている自分たちでやろう、 という感じです。

なるほど。 二つ目の理由はなんですか?

もう一つに、 エンジニアの採用につながれば、 との思いもあります。

HENNGEでは社内公用語を英語化し、 海外の優秀なエンジニアの採用に力を入れていますよね。

はい。 ですがそれが第一目的というわけではなく、 あくまで 「協賛が採用につながればいいな」 くらいの希望に過ぎません。 それよりもエンジニアの1人として、 オープンソース活動のサポートをしたいとの思いの方が強いです。

メインは応援の気持ちなんですね。
HENNGEは海外だけでなく、 日本で開催されるPyCon JPの協賛も続けていますよね?

PyCon JPは2011年に日本で始まり、 HENNGEは2013年からさまざまな形で協賛してきました。 前夜祭的イベントの会場としてオフィスを提供したり、 参加者に食事を用意したりした年もあります。 私もオフィスに行って参加しました。

CC-BY: PyCon JP (https://flic.kr/p/2houvkE)
2019年のPyCon JPでは、 前夜祭的イベントの会場としてオフィスと食事を提供した
CC-BY: PyCon JP (https://flic.kr/p/2houxby)

そんな形で協賛もしていたんですね!

ただ、 コロナ禍で2020年から会場がオンラインになり、 物理的な支援ができなくなったので、 企業ブースを出展するスポンサーの形で支援を続けています。

オンライン開催はオフラインに比べ、 採用効果は薄くなるイメージですが、 協賛をやめる選択肢はなかったんですか?

特にPyCon JPへの協賛は、 日本企業として地元のオープンソース活動を支えたいとの思いで続けているので、 やめる選択肢はなかったです。
もっと言うと、 テックカンファレンス文化自体無くなってほしくないとの思いで応援を続けていました。

次に、 PyCon JPの運営側のJonasさんからお話を伺います。 JonasさんはHENNGEメンバーでありながら、 PyCon JPの運営組織 「一般社団法人PyCon JP Association」 で理事を務めているんですよね。

はい。 前職の関係で欧米のPyConで講演したこともあり、 日本にいた2013年、 東京で開かれていたアジア太平洋地域の広域PyCon 「PyCon APAC」 に参加しました。 その後HENNGEに入社し、 PyCon JPの運営スタッフを経て2019年、 理事になりました。

PyConとの関わりは10年ほどになるんですね! 運営側として、 改めてPyCon JPの目指すところを教えてください。

Pythonユーザー同士が交流し、 情報交換やアイディア共有する場を提供することです。
私たち運営組織は、 日本でイベントを毎年開催してPythonを普及させ、 コミュニティを広げたいとの思いで日々活動しています。

2019年のPyCon JPで挨拶するJonasさん
CC-BY: PyCon JP (https://flic.kr/p/2hgmJJ7)

プログラミング言語のイベントは他にも多くありますが、 特にPyCon JPの特徴はありますか?

平等主義を大切にしていて、 「誰もがそれぞれ持っている知識やアイディアを、 平等に発表できる」 を信条にしていることです。
なので誰もが参加できるよう、 入場チケットの価格を安くしているんですよ。

そうなんですね! チケットの価格を抑えるのは大変じゃないですか?

二つの要因で、 価格を抑えられています。
一つは、 PyCon JPも含め、 世界中で開かれるほとんどのPyConがボランティアによって運営されていることです。
もう一つは、 毎年多くの企業がスポンサーになってくれていることです。 スポンサーの存在があるので、 イベントを続けられています。

特にPyCon JPのスポンサー枠は、 売り切れることもあるそうですね。

はい。 以前ヨーロッパでイベントを主催した時は、 スポンサー集めが本当に大変だったので、 PyCon JPのスポンサー枠に多くの企業から応募があった時は感動しました。

そうなんですね! 最近は新型コロナウイルス感染拡大で、 イベントに影響が出ていますか?

小規模のイベントは中止になったところも多かったです。
PyCon JPに関して言えば、 完全オンライン開催に変えるのが大変でした。 特にコロナがはやり始めた頃は、 大規模オンラインイベント用のサービスやツールが少なく、 ゼロから方法を学ばないといけなかったので。

当初は特に大変でしたよね。 オンラインで開催してみて、 いかがでしたか?

やはり対面でのカジュアルな会話がなくなったのは、大きなデメリットだと感じました。 一方で、 誰もがどこからでも参加できたのは良かったです。
オンライン開催になったことでスポンサー集めも不安でしたが、 多くの企業がスポンサーを続けてくれました。 本当にありがたかったです。

それは嬉しいですね! そんなコロナ禍の2021年に開催されたPyCon JPは、 どんな様子だったのでしょうか。 PyCon JPのスポンサー窓口を担当し、 当日の運営にも関わった郡司さんにお話を伺います。

2021年10月のPyCon JPは、 オンサイト (東京) とオンライン (Zoom) のハイブリッド開催だったんですよね?

そうなんです。 2日間で628人の方が参加してくださいました。
HENNGEは2020年に続いてプラチナスポンサーを務め、 オンラインでブースを出展したほか、 スポンサー企業としてスペシャルトークにも登壇しました。

スペシャルトークで話すHENNGEメンバー (右上)

スペシャルトークでは、 HENNGEメンバーが、 HENNGEとPyCon JPの長い関わりについて紹介していましたね。
PyCon JPのために、 オリジナルのノベルティグッズも準備したんですよね。

はい。 Tシャツ、 保温マグカップ、 USBアダプター、 ウェブカメラカバー、 スマホスタンドのセットを、 オンラインスタンプラリーに参加してくれた方に送りました。

豪華ですね!! グッズ選びでこだわったことはありますか?

社内のエンジニアにもらって嬉しい物をヒアリングし、 日常で使えそうな物を吟味しました。 保温マグカップは私が事前にサンプル品を使い、 保温機能もチェック済みです(笑) リモートワーク中に、 デスクに置いてもらえれば嬉しいです。

グッズだけでなく、 PyCon JP用にZoomの背景も作成したんですよね。

HENNGEのデザインチームに4種類作ってもらいました。 参加者の方にもインパクトを与えられたと思います。

おしゃれですし、 右上のロゴが目を引きます。
改めて、 コロナ禍のPyCon JPに参加してみていかがでした?

参加者はトークを聴きながらリアルタイムで感想を書き込んだり、 他の人のコメントにスタンプを押したりと、 オンラインならではの一体感が出ていました。
完全オンラインだった2020年とは違い、 2021年は一部オンサイト開催ということで、 実際に集まる良さも改めて感じられたと思います。
私自身、 参加は2回目でしたが、 いろんな方と交流できるのがPyCon JPの魅力だと改めて感じました。

イベントの形が例え変わっても、 今後もPythonについて交流できる場があり続けるといいですよね。
最後にJonasさん、 小椋さん、 今後に向けての思いを聞かせてください。

開発者コミュニティの中で、 持続可能性は大きなトピックです。 Pythonが存在しなくなれば、 PyCon JPもなくなってしまいます。
コロナ禍で先が見えないですが、 私たちはPythonを日本に広め、 今後も長く存在させるため、 これからも活動を続けていきたいです。

開発言語は、 開発者コミュニティあってのものだと思います。 コミュニティ自体が盛んであること自体が言語にとってプラスだと思うので、 今後も企業としてもできるだけPyConを応援していきたいと考えています。

本日はありがとうございました!


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