テクノロジーでセールスのあり方を変えていく HENNGEのインサイドセールスの挑戦

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2019年に『THE MODEL』が出版されて以降、日本でも注目されている分業による営業効率の向上。HENNGEでも、複数の部署が協力してセールスを行っていますが、HENNGEならではの特徴や工夫もあります。今回は、インサイドセールスセクションの山下さんにお話を伺いました。


こんにちは、今日はよろしくお願いします!
山下さんは2019年4月にHENNGEに入社されたんですよね。その前はどんなお仕事をされていたのでしょう?

HENNGEの前は製薬会社の研究開発部門にいました。大学の先生などにお話を聞きに行って、試薬の開発・製造を行うといった仕事です。

今とはかなり異なるお仕事だったのですね。どんな経緯でHENNGEへの転職を決めたのですか?

前職では、各地で行われる学会に行くなど、お客様に会うための出張がとにかく多くて。私生活は、ECやIoTも取り入れてどんどん便利になっているのに、なぜ仕事ではこんなに時間や場所の制約を受けているんだ、もっとテクノロジーを使って効率化できるはずだろうと思っていました。

それで、テクノロジーといえばIT業界だと思って、HENNGEに飛び込んだんです。

◾️インサイドセールスの役割

HENNGE入社後はパートナーセールスを担当されたのち、現在はインサイドセールスのセクションマネージャーを務めていらっしゃいます。

インサイドセールとはどんなお仕事なのか伺えますか?

一般的には、営業担当が商談するためのアポを取る役割というイメージが強いですよね。効率やアポの取得件数が重視されるので、架電リストや話す内容がマニュアルで決まっていて、とにかく電話をかけまくる、だめだったらはい次、というような。

HENNGEのインサイドセールス(IS)も、もちろんアポを取って営業(フィールドセールス=FS)につなぐ役割なのですが、もっと長い目で見てリレーションを構築すること、単なるアポでなく商談を作ることを重視しています。

リード(見込み顧客)と長期的な関係を構築することもISの役割なんですね!

はい。先方だって、まだほしいと思っていないタイミングで「いかがですか? お話ししませんか?」って言われても嬉しくないじゃないですか(笑)

リードはどんな会社の方で、どんな課題があって、今どういう状況なのか、どうなれば「ほしい」と思っていただけるのかを見極めながら、商談創出につなげています。

具体的にはどのようにそれを実現しているのでしょう?

大枠では、ISからの働きかけと、リード側の能動的なアクションの見極めの掛け算ですね。

マーケティングが企画したホワイトペーパーやイベントを入り口にリードを獲得しても、すぐに商談化できるわけではありません。
HENNGEのISの中にはリード育成のための専任部隊がいるので、そこからリードに対して、資料やイベントの情報をお送りしたり、アンケートを実施したりします。一方通行のコミュニケーションだけでなく、時には対面で課題に関する情報交換なども行います。

合わせて、検索しているキーワード、HENNGEのサイトへの訪問履歴、メールの開封状況といったリード側のアクションも確認しています。

これらを踏まえ、いよいよ導入を具体的に検討いただけそうだというタイミングでアプローチして、商談化を進め、アポを取ってFSにパスすることになります。

FSが商談をして、残念ながら導入が見送りになることもありますよね?

ええ、あります。そういう場合にはまたISにリードが戻ってきて、リードとの関係を維持していきます。全体として受注までにかかる期間としては、1年から数年ということもあります。

リード一人ひとりについて、かなり時間をかけて関係を深めているんですね。

◾️関係を成熟させるためのツール利用

はい、そのためにいろいろなツールを使っています。

SFAは、リード情報、コンタクト履歴の集約基盤として機能していて、マーケティング、IS、FSが共通で使います。

リードのインテント(意図、意思)を把握するのには、MAやDMPを複数活用しています。自社で実施した施策への反応だけでなく、リードがどんな課題を持ってどんな行動をしているのか、といった情報もツールを活用して推測します。

  • SFA:Sales Force Management(営業支援システム)の略で、営業活動に関する情報を可視化・分析可能にするためのツール。
  • MA:Marketing Automation(マーケティングオートメーション)の略で、リード獲得〜育成の各ステップを効率化するためのツール。
  • DMP:Data Management Platform(データ・マネジメント・プラットフォーム)の略で、インターネット上に蓄積された多様なデータを管理・活用するためのツール。

そうやってツールで状況を確認しつつ、リードへのコンタクトも欠かさないようにしています。ISで成果を上げているメンバーはそのあたりがうまいんです。しっかり時間を取ってくださいというのではなく、たとえば新しいノベルティを作ったときに、それをお届けするかたわらでHENNGE Oneのアップデートを共有したりと、軽くお話しする機会を作れる。そういうコミュニケーションも活用して、リードの状況や温度感をアップデートしています。

関係が深まって状況も熟してくると、こちらから売り込まなくても、リードの側から「そろそろ導入について相談できますか?」と声をかけていただけることも多いんです。

それはすごいですね。

最近のISでは、いわゆるコミュニティ営業にも力を入れています。既存のお客様とクラウド導入前のリードとでコミュニケーションして、課題や事例を共有いただいたりするんです。

※イベント例:職場の課題を『かるた』で解消!沢渡あまねさんと学ぶ問題解決ワークショップ

メールや電話でのコミュニケーションに比べるとハードルが高そうですが、参加者は集まりますか?

はい。ISのメンバーそれぞれが、リアルのイベントでもお誘いすれば来てくださるだろうなというリードを一定数持っている感じですね。こちらの想定を超えてお申込みをいただくこともあるくらいです。

データを元にリードに効果的なアプローチをし、ツール上にコミュニケーションの履歴が貯まっていく、それがさらにセールスの精度を高めるデータになる、という良いサイクルができつつあります。

複数のツールを活用し、人対人の関係を構築して、商談を作り出すとなるとISのメンバーにはとても多くのスキルが求められますね。

もちろん、全てのメンバーが全てのことを高いレベルでできるわけではありません。得意不得意はあります。ただ、できないことに落ち込むのではなくて、できるようになろうと前向きな気持ちを持っているところはメンバーに共通していると思います。

チームとしても、まずこういうことができるようになろう、それができたら次はこうなろうという感じで、現状のスキルセットと次の段階で求められるスキルをマトリクスにしています。

求められる努力の方向性が具体化されていると、頑張りが空回りせず成長につながりやすいですね。

「リードと関係を深めるという概念は理解できるが、具体的にはどういう行動が求められているのか分からない」とメンバーから言われたことがあるんです。たしかにそれはちゃんと定義していなかったな、と。

個別のフィードバックだと局所的なテクニックに陥りがちだったり、スキルが属人化したりするので、スキルを見える化してうまく回るか試しているところです。

◾️徹底したテクノロジー活用で目指す未来

HENNGEのISで求められるのはどのようなことなのですか?

まずはコールができるようになるというのと、テクノロジーをしっかり使えるというのはどのメンバーにも求めています。

たとえばHENNGEのISでは、基本的な方針は示した上で、どのリードにアプローチするかという判断も個々のメンバーに任されています。SFAのどこにどんなデータが格納されているのか、ダッシュボードやレポートではどんな情報がどんな条件で表示されているのか理解できていないと、適切なリストを作ることもできません。

そういったナレッジは、どのようにチーム内で共有しているんですか?

勉強会もしますし、分からなかったら得意な人が教えたりというのも当然します。

ただ基本的に、マニュアルなどの必要な情報はツール上に集約して、知りたい時にすぐ探せるようにしています。

ツールの利用が徹底していますね。

人に聞くタイミングを待っているとどうしてもスピードが落ちますしね。

聞くほうも、何度も聞くのは気が引けてしまうと思うんです。それだったら、シンプルにここを見れば疑問が解決するという状態を作りたい。

ツールを活用することで、日々の業務だけでなく、成長のスピードもアップしそうですね。

最後に、今後もっとISで活用していきたいツールやテクノロジーなどはありますか?

AIを使って、業種や規模、公開情報から企業の状況を分析し、提案内容をレコメンドしてくれるシステムが出てきたので、そういったものも活用したいですね。

リード個人だけでなく、企業全体の課題感やニーズをしっかり把握して、リードといち早く本質的な話をできるようにしたいと考えています。

ツールにできることはどんどんツールに任せていく、と。

究極的には営業がいらない世界にしたいんです。すぐにそんなことにはならないと理解した上で(笑)

今のやり方を進めてツールにしっかりデータを蓄積していけば、どのリードに、いつ、どんな提案をすべきかというのは、ある程度システム化していけるんじゃないかと、テクノロジーにはそれだけの力があると信じています。
ISのメンバーにもテクノロジーのポテンシャルを感じて、仕事・プライベートを問わず、どんどん新しいツールを使いこなしていってほしいですね。

新しいテクノロジーの登場で、セールスのあり方もどんどん変わっていきそうですね。本日はありがとうございました!


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