HENNGEでは金融機関向けの入出金通知メール配信、自治体向けの災害情報メール配信など、メール配信サービスも開発しています。HENNGEが新たに開発を進める自治体向けコミュニケーションサービス「CHROMO」。コンセプトや開発背景を伺いました。
「多種多様なメッセージを届けられるようにしたい」という想いと、「色彩豊かな」「多彩な」という意味を持つchromoという言葉がシンクロして、CHROMOというサービス名にしました。
そうなのですね。なぜ新たにサービスを開発しようと思ったのですか?
私たちのチームは長年メール配信サービスを開発してきました。自治体向けに多くの実績があります。災害情報配信、保護者向け情報配信などです。
信頼性や可用性が求められる分野で利用いただいていますよね。
はい。ただ現状のサービスに課題を感じていました。メールが時代遅れになりつつあるのではないかということと、コミュニケーションをアップデートする必要があるということです。
一つ目の課題から教えていただけますか?
住民はLINEやSNSなどに慣れていますが、自治体から発信される情報の配信先がメールに限定されることがままあります。
自治体って縦割りなんです。組織毎にその時最適なものを選択しているので、同じ自治体の中でも部署によって使っているサービスが違うこともよくあります。教育委員会はメール、防災課はツイッター、みたいな形で。
住民からしたら不便でしょうがないですよね。
そうなんです。実際それぞれの情報配信サービスの登録率も悪かったりします。
二つ目の課題も教えてください。
自治体からの一方通行の情報発信は限界があると感じています。
自治体は合併で面積だけは大きくなっていく一方で、人はどんどん減っていっているんです。自治体の職員だけで課題を解決できる時代ではなくなってきていると感じています。住民が自ら課題を見つけて自治体と「共創」していく必要があるのに、実際は「住民は自治体に不信感がある」「自治体は住民をよく理解していない」という状況です。情報伝達する前に、自治体と住民の距離をもっと縮めるコミュニケーションの再構築が必要だと思いました。
住民からもSNSで自治体に関する様々な情報が発信されるようになりましたものね。
企業で起きている流れと同様に、自治体でも住民が使い慣れたツールを情報提供に活用すること、住民との双方向のコミュニケーションができる環境の構築が必要だと考えています。
コミュニケーションのアップデートというと大掛かりなイメージですが、どのようなことから始めたのですか?
コミュニケーションを3つのステップに定義し直しました。1つ目が「Inform(知らせる)」、2つ目が「Communicate(コミュニケーションをする)」、そして3つ目が「Engage(エンゲージする)」です。CHROMOは、3つ目のエンゲージメントに繋がるプラットフォームを目指しています。
エンゲージメントは企業と消費者、企業の社員間などでも使われるキーワードになってますよね。どのようにエンゲージメントを実現しようと考えているのですか?
初期段階から利用者(住民)に参画いただくところから始めています。先日発表しましたが、つくばみらい市と実証実験を行います。住民からの要望、使い勝手をいち早くサービス改良に結びつけていきたいと考えています。
HENNGEの外国籍社員の声もサービスに反映させて、外国籍の住人も使えるようなサービスを考えている点もエンゲージメントを高められる要素だと思います。自治体も増え続ける外国籍の住民とのコミュニケーションに苦労されていると伺っています。多様な人材を抱えるHENNGEだからこそ提供できるコミュニケーションサービスになると考えています。
具体的にCHROMOではどのようなことができるのですか?
メッセージング、情報収集、イベント管理などです。HENNGEの強みである、様々なデバイスに確実に届けられる(到達確認する)機能なども搭載しています。個別の機能は他社でも提供できると思いますが、全部一つのプラットフォームでできるという点がCHROMOの強みだと思います。
住民のさまざまなステージで情報が引き継げる、一貫性があるというのも強みになると思います。例えば今は、保育園ではAサービスに登録、小学校ではBサービスに登録、防災情報はCサービスに登録など。管轄が違うと住民は煩わしい登録手続きが必要になります。CHROMOを利用することで住民はライフステージが変化しても同様のサービスを利用することができるような環境を目指しています。また、CHROMOを通じて地域情報を自然と取得することを可能にすることや、地域住民が孤立しないように横のつながりが生まれるような仕組みも検討しています。
LINEとか今あるコミュニケ−ションサービスではだめなのですか?
LINEはチャット機能がメインで、グループも招待がなければ入れないですよね。簡単に言えば、閉じられた空間なんです。自治体の情報には透明性が必要です。その情報を必要とする人が、自ら探せばその情報を手に入れられる状態ではなければいけないんです。透明性と到達容易度がCHROMOと他のツールとの違いだと思います。
確かに透明性があり、遍く参加できるコミュニケーションサービスというのは自治体に求められそうですね。
海外では社会問題になりつつありますが、災害時などのフェイクニュース対策も今後自治体には求められるようになると考えています。HENNGEでは発信者の証明サービスなども手がけてきましたので、これまでのノウハウで信頼性がある情報発信ができるという意味でもCHROMOは有効になると考えています。
なるほど。ありがとうございました!
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今日はCHROMOについてお話を伺いたいと思います。まず、名前の由来から教えてください。