複業で働き方が変わる

業務生産性の大幅向上を発見し「アウトルック最速仕事術」を出版したOutlookの研究家の森さんとの対談

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飲料メーカーで働き方改革を担当するなかで、アウトルックスキルの獲得による業務生産性の大幅向上の余地を発見。書店で大人気の「アウトルック最速仕事術」を上梓。本業の傍らショートカットとOutlookの研究家として講演やセミナーなどを実施されている森さんにお話をうかがいました。


森さん、本日はどうぞよろしくお願いします!今日はお仕事帰りですか?

そうです!

私が森さんに一番驚いたところってそこなんです。大手企業に勤めながら、本も出版されて成功されていますよね。本業をされながら本を出すって大変だと思うのですが、どうしてやろうと思われたんですか?

実は、「本を出すこと」が子どもの頃からの夢だったんです。幼少期、父の書棚に本が沢山並べてあって、その本棚に自分の名前が載った本を並べたいという夢がありました。

なるほど、素敵ですね。

社会的な課題を解決するための本を出そう!と心に決め、昨年の2月には会社にも宣言して、出版を叶えました。

すごい!ただ、本業以外に社会貢献できることをしたい、自分自身のスキルを活かしたいと思った時に、どのようにそれを実現したらいいかわからず二の足を踏んでいる人って多いと思うのですが、森さんが一歩踏み出したきっかけは何だったんのでしょうか?

自分の身近な人の課題を解決したい、というところから始まりましたね。人事として働き方改革を担当している時に、社員に何に困っているかを聞いたんです。その時にメールの量が多くてどうにもならない、という状況が見えてきました。

実際の現場の中にきっかけがあったんですね。

そうなんです。例えば社員がエクセルで困っていたら、外部からエクセルの講師を呼んで解決できますよね。同じように、メールで困っているならアウトルックの専門家を呼んで解決すればいいと思ったのですが、探してもアウトルックの先生っていなかったんです。じゃあアウトルックの本を社員に渡せばいいと思いましたが、それもない。じゃあ、ないノウハウは自分で作ってしまえ、という考え方に変わりました。身の周りの人の働き方を見て、どこにタイムロスが生まれているのかを把握し、そのためのプロダクトを作っては社内でローンチして、テストマーケティングをしました。

社内の情シスなどに頼らず、自分で問題を解決しようというその姿勢が変化を生んだのですね。


時間を作り出す

森さんはお仕事もバリバリされていながら、プライベートも充実されていると伺ったのですが。

冬の間は週休3日で働いて、週末はスノーボードを楽しんでいます!

4日しか働かないってことですよね?仕事は終わりますか?

もちろんです。しかもそれってそんなに難しいことじゃないんです。稼働日1日あたりの生産性を4分の5のスピードにすれば、誰でも一日休日を生み出すことは可能だと思いますよ。

すべてロジカルに考えるんですね。

そうかもしれません(笑)4分の5って1.25ですよね。普段の1.25倍で仕事をすればいいだけなので、そこに違いがでてくるとすればPCスキルの差だけです。パソコンの操作の違いで何十倍の違いが出るという事実を皆さん知らないだけなんです。字間、行間等を確認するために入れています。

なるほど、私もその点意識したいと思います!

あと、エクセルの自分のスキルは分かる人は多いのですが、アウトルックを自分がどれだけ使いこなしているかをわかってる人が少ないんです。そこで、最近私が決めたビジョンがあるのでここで発表してもいいですか?

ぜひ!


Outlookができる人をカッコよくしたい

Outlookって英語にすると洋書に見えたり、ちょっと上のレベルを求めている人にしか手にとってもらえないと思ったんです。

確かにエクセルができる人ってかっこいいイメージありますが、アウトルックができてかっこいいってあまりピンと来ませんね。

Outlookって英語にすると洋書に見えたり、ちょっと上のレベルを求めている人にしか手にとってもらえないと思ったんです。

話は少し脱線しますが、森さんの本のタイトルのアウトルックってなんでカタカナなんですか?

Outlookって英語にすると洋書に見えたり、ちょっと上のレベルを求めている人にしか手にとってもらえないと思ったんです。

マイクロソフトさんに気を遣ったわけではなかったんですね。

気は遣ってないです。一日100通以下のメールをさばきながら、”Control+X”って切り取りだっけな、くらいのスキルの方にこの本を手にとってもらって、その方たちの可処分時間を増やして貰いたいという想いでローンチしたので、わかりやすさを優先しました。

森新(もり・あらた)氏 ショートカット・Outlook研究家
飲料メーカーにて働き方改革を担当するなかで、アウトルックスキルの獲得による業務生産性の大幅向上の余地を発見。ライフワークとして研究を重ね、独自にノウハウを蓄積。研究したノウハウをスキルシェアサイト「ストアカ」を通じて発信したところ、個人だけでなく法人からも講演オファーを受ける講座に。ストアカではプラチナ資格を獲得。アウトルックスキルという言葉を普及させる事で、「アウトルックの技術」の必要性を顕在化させ、日本全体の業務生産性向上にアプローチしていく事をミッションとしている。

副業と複業は別物

副業ってぶっちゃけ儲かりますか?

儲からないことが多いと思います。副業にもいくつか種類があって、収入を得るためにコンビニなどで働く副業やメルカリなどでものを売る副業、自分の経験を広げるためにするボランティア的な副業が挙げられます。これらは儲かりません。ただ、複業(パラレルワーク)は別物で、収入も見込めますし起業するくらいのレベルのことだと思っています。

本業と同じくらいのレベルに持っていくにはハードルが高いというわけですね。

そうです。複業は1人でマーケティング、広報、経理をこなさなければなりません。ただ、一つリアルな起業と違うところは、本業で基本的な収入を得ているので、マネタイズを急がなくていい点です。

なるほど。森さんのようにサラリーマンをしながらの複業ってオススメできますか?

今の処遇に不満があるなら、辞めるか変えるか染まるかのどれかだと思うので、そのフレームで考えてみてはどうでしょうか。ただ、起業に比べたら複業は失うものってあまりないんです。収入は本業で得ていますし。だから、やってみて損はないと思います。

周りの方からのサポートがあるかないかも大きそうですが。

そうですね。複業するときは、周りをどんどん巻き込んでください。


仕事のオンオフってどう切り替えていますか?週末に過ごすときにスマホの電源切ったりしますか?

全くしないです。仕事も全部好きでやっていることなので、週末でも情報が入ってくると嬉しいです。私にとって趣味も仕事も全部同じだけ好きなことなんです。

それが理想かもしれないですね。その「好き」ってどうやって見つけたらいいんでしょうか?

人生ってその「好き」を探す旅のような気がしています。

深いですね。

あとは、5メートルくらいにいる人の課題解決をすることを大切にしています。今度もショートカット・キーについての本を出すんです。キーボード操作に課題を持っている人が身の回りにいて、それを解決したいなと思って。5メートル以内で課題をみつけて、10メートル以内でテストマーケティングして、それを1km、10km、日本中へと広げている感じですね。

それ、すごく大事なポイントのような気がします。

あとは自分が楽しんやる、ということが大事ですね。楽しそうに仕事してる人と一緒に仕事をしたら自分も楽しめそうじゃないですか!

そうゆうのって伝播しますもんね。人を巻き込んでいく力ですね!


勤め人が変化するには?

最後に、変化というテーマでお話しを伺ってきましたが、今はまだできていなけど、今後変化したいと思っている方にメッセージをいただけませんか?

僕が変化したいと思ったきっかけという点でお話しをすると、とある起業の経営者に「きみが生きている時代と生きていなかった時代に差分はあるのか?」と問われたことでした。そのときは「ないです」としかいいようがなく、なんかくやしくて。

なるほど、差分ですか。

個人的な差分だけじゃなく、他人から見ても僕が存在することで生まれる社会に対しての差分を見つけたいと思いました。その時から、目に見えるプロダクトを生み出して、身の回りにいる人の可処分時間を生むことで差分を生んで、さらにその差分で差分を生んでいくような生き方を目指してきました。

かっこいいですね。働き手のロールモデルです。

具体的にどうやってやればいいのか、と聞かれたら、身の回りの課題をを片っ端からどう解決できるか行動をおこしてみたらいいと思います。結局、原体験がないとやってやろうという想いも弱くなりますし。まずは、身近なことからやってみることです!

一歩踏み出せない自分をシフトするきっかけを作り出すことですね。

日本人て勤勉だし、同調力もあるから、誰かがやるぞって言ってスイッチを押したらみんなですごいことが出来ると思います。そのスイッチを押すきっかけに自分もなりたいです。

HENNGEも森さんのように複業として起業していく人材をどんどん応援していきたいです!

すばらしいです。

森さん、本日はどうもありがとうございました。