歴代初の製品化! インスパイア祭り発 「HENNGE Connect」

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2022年4月にHENNGE がローンチした新サービス 「HENNGE Connect」 。 実は、 社内の新規事業開発イベント 「インスパイア祭り (IM)」で生まれ、初めて製品化したアイディアです。
HENNGE Connect はどんな製品で、 2020年12月のIM ピッチイベント出場から製品化までどんな道のりだったのか。 HENNGE Connect チーム(Product Marketing Management Sectionの Ted さん、Cloud Product Development Division の小玉さん、Product Marketing Management Section の今泉さん) と、 IM を主催する Business Incubation Management Section (BIM) のSai さん、 Zack さんにお話を伺いました。


HENNGE Connect のローンチおめでとうございます! IM で生まれたアイディアのうち、 初めての製品化ですね! どんなお気持ちですか?

ありがとうございます! IM から新しい製品を生み出せたのはもちろん、 HENNGE One のお客様により多くの価値を提供でき、 とても嬉しいです。
ゼロから製品を考えてローンチする経験はとても貴重でしたし、 何よりこのメンバーで構想を練るプロセスがとても楽しかったです。

すてきですね! 2022年4月から実際にサービス提供が始まりましたが、 お客様からの反応はいかがですか?-

早速興味を持って問い合わせしてくださる代理店やお客様もいらっしゃり、 上々の反応だと思います。

では早速HENNGE Connect について教えてください。
主力製品のSaaS 認証基盤 (IDaaS) 「HENNGE One」 の新機能として追加されましたが、 そもそもどんなサービスなんですか?

一言で言えば、 安全なテレワークを加速させるサービスです。
基本的に、 会社で情報システムを保有するオンプレミスシステムには、 社内からしかアクセスできません。でもHENNGE Connect を使えば、 自宅やカフェなどからでも 「安全に」 アクセスできるようになるんです。

テレワーク需要が続く今にぴったりのサービスですね!
社外からオンプレミスシステムにアクセスするには、 VPN (仮想プライベートネットワーク) 接続をするのが一般的ですよね?

はい。 ただVPN だと、 不正アクセスがあった際にLAN 内の他のサービスやサーバーにもアクセスされるリスクがあります。 また、 アクセス過多で動作が遅く不安定になる 「VPN 渋滞」 などの課題もあります。
HENNGE Connect は、 VPN と同じく社外からオンプレミスシステムにアクセスできる上に、 HENNGE One と連携して多要素認証やデバイス制御などができ、 とても安全なんです。

最近は、 VPN の脆弱性を狙ったランサムウェア攻撃も話題ですよね。
同様のサービスは他社にもあると思いますが、 違いはどんなところですか?

まず、 普通のVPN サービスと比べれば、 お客様はネットワークシステムを買う必要がなく、 ネットワークの設定も大きく変えずに済みます。
HENNGE Connect と似た他の製品との違いで言えば、 HENNGE Connect はエンドユーザーのコンピュータにエージェントをインストールしなくても良いので、 簡単に使い始められます。

そもそも、 なぜこのサービスを作ろうと考えたんですか?

前に台湾のお客様から 「基幹系情報システムなどのオンプレミスサービスを社外からも使いたい」 と言われたのがきっかけです。 世間的にはクラウドへの移行が進んでいますが、 大企業ではコストや会社の方針でクラウドに移行できないシステムがあります。 そして、 VPN には先ほど言ったような課題があります。
調べてみると日本でも同様のニーズがあり、 ソフトウェアがVPN の代わりになれる良いチャンスだと思いました。

すでに競合他社がこのソリューションを提供していて、 課題を解決できるのは分かっていたんです。 ただ、 実際にこの機能を実装させた場合の難しさは分かりませんでした。

そこで、 3人でIM に応募することにしたんですね。

もともと今泉さんにはアイディアを相談していたのですが、 試してみるにはリソースもプラットフォームも足りませんでした。 そこで小玉さんを誘ったら、 IM への参加を勧められたんです。

良いアイディアだと思ったので、 IM で企画を出すように勧めました。

なるほど。 プロジェクトでは、 どのような活動をしたんですか?

企業の情シス担当者向けに 「脱VPN」 のテーマでウェブセミナーを開き、 約20人に当時ベータ版だったHENNGE Connect を紹介しました。 セミナー後にはアンケートも行い、 製品のニーズを検証しました。
完成していない製品の需要を確かめるのは、 すでに需要があるHENNGE One とは違った面白さがありました。

ウェブセミナーでは参加者の方はどんな反応でしたか?

多くのお客様がオンプレミスの仕組みを持ち、 VPN に課題を感じていたため、HENNGE Connect のニーズを確かめられました。
ウェブセミナーだけでなく、 HENNGE のユーザーコミュニティ 「Chameleon(カメレオン)」 でもユーザーの獲得活動を行い、 有償 ・ 無償トライアルの提供につながりました。

私は普段、 HENNGE One の機能の一つ 「HENNGE Access Control」 の開発リーダーをしていることもあり、 自分のチームでHENNGE Connect の開発を引き受けました。 組織立って進めることができるよう、 チーム内でも人繰りや業務を調整しました。

プロジェクトを進める中で、 米国ベンダー 「ngrok」 の製品をOEM (相手先ブランドによる生産) 提供してもらうことになり、 主に交渉役を務めました。
OEM 提供してもらえるのかや価格なども全く分からない中、 初めて連絡した時はとてもワクワクしました。
先方から 「ミーティングをしましょう」 と返事が来た時は、 とても嬉しかったです。

OEM 製品を使うことになったのには、 どんな背景があったんですか?

1年という限られたプロジェクトの時間の中で、 お客様にソリューションをテストしてもらう必要があったからです。 自分たちで試作品も作りましたが、 リスクが少なく、 安全性が高く、 より迅速な方法として、 ngrok を使おうと決めました。 これにより、 アプリケーションの検証やプロダクトマーケットフィット (PMF、 市場に受け入れられている状態) の達成に向けて集中することができました。

海外企業とパートナーシップを締結するというのは、 いかがでしたか?

海外企業とのビジネス交渉はとても良い勉強になりました。 お互いの企業カルチャーやビジネスをよく理解し、 相手が何を強く求めているのか、 逆に交渉の余地があるものは何なのかを把握すれば、 お互いがWIN – WIN になれる関係で交渉できると学びました。

ngrok とのミーティングの様子

プロジェクトの中で難しかったことはなんですか? そして、 それをどう乗り越えましたか?

ngrok とHENNGE の価格体系や考え方に大きな隔たりがあり、 何度もWEB ミーティングをしました。 ミーティングを通じて両社のビジネスモデルを共有し、 理解し合える関係を築いたことで、 最終的にはお互い合意できる価格体系を見つけられました。
両社とも、 お客様の課題を解決したいという共通の目的があったので、 お客様にとって一番シンプルで納得いただける形で折り合えました。

ベンダーの変化に柔軟に対応することです。
ngrok 側も日々製品のアップデートを続ける中、 その変化を柔軟に受け入れながら両社でやりとりを重ね、 最終的な形にまで持っていったのが印象に残っています。

メンバーの中にセールスのメンバーがいなかったのが大変でしたね。
Sai さんとZack さんにセールスメンバーとつないでもらい、 お客様との接点作りを助けてもらいました。 お客様リストを共有してくれるなど、 とてもありがたかったです。
とはいえ最終的には自分で契約締結まで結びつけないといけなかったので、 自分なりに勉強や工夫をしながら乗り越えました。

取締役会の承認を受けて製品化が決まった際の気持ちを教えてください。

このような製品や競合他社があると知っていたので、 実は少し自信がありました。 (笑) でも、 決まった時はとても嬉しかったです。

自分も自信がありました。一方で、 承認は始まりに過ぎず、 ローンチ後は顧客探しやPMF 達成に向けて、 更なる努力をしないといけないし、 課題もたくさんあります。 だからこそ、 これからのチャレンジを楽しみたいと思いました。

皆さんは、 取締役会からローンチの承認を得たチームに贈られるタイトル 「Intrapreneur Star」 を、 HENNGE で初めて獲得したチームでもあるんです。

チームのメンバーだけではなく、 Sai さんやZack さん、 法務やセールスチームのメンバーなどたくさんの人が協力してくれたおかげです。
正直、 自分がした貢献以上のタイトルをいただいたと感じています。 皆さんに感謝したいです。

プロジェクトを通じて得たものはどんなものでしたか?

ベンダーとの仕事の仕方を学びました。
ngrok との交渉は最初、未知の世界でしたが、 とても良い経験になりました。

僕は海外ベンダーと仕事をする際に大切なのは、 お互いの利害を一致させることだと学びました。 結果、 自分たちでもできるんだとも感じました。
このプロジェクトを始める前は、 誰も米国ベンダーとこのような形で仕事をすると予想していなかったと思いますが、 今では実際にHENNGE Connect としてリリースまでたどり着くことができました。 「HENNGEには海外メンバーも多く、 またビジネスでもテクノロジーでも優秀なメンバーが多いので、 HENNGE のメンバーとならどんなことでも実現できる」 という自信もつきました。

製品を作る前から顧客に会ってニーズを聞けたのは、 とても良い経験でした。 自分が所属している製品開発部門では、 納品後に顧客と会うことはありますが、 こんな初期から顧客を巻き込んで製品作りをするのはとても新鮮でした。

最後に、 今後の意気込みを聞かせてください。

HENNGE には、 もっと多くの新しい製品が必要だと思います。 これからたくさんのプロジェクトから製品がローンチされればと思います。

HENNGE Connect がこれから多くのお客様のもとに届くよう、 期待しています。 今後もお客様からの要望に合わせて機能の検証をするなど、 製品の改良を重ねていきたいです。

HENNGE Connect がHENNGEのビジネスグロースドライバー製品になるよう、 これからも努力していきたいです。

HENNGEの製品を充実させるためにも、 これからもどんどん挑戦していきましょう! ありがとうございました!


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