トヨタ車体株式会社

メール監査システム更改を機にHENNGE Oneを導入
約9,000名のメールセキュリティ強化と業務効率化を実現

  • 製造・メーカー

メール監査システム更改を機にHENNGE Oneを導入
約9,000名のメールセキュリティ強化と業務効率化を実現

トヨタ車体株式会社は、トヨタ車の「開発から生産まで」を手掛ける完成車両メーカーです。 アルファード、ハイエース、ランドクルーザーなどのミニバン・SUV・商用車を中心に、人気車種の企画・開発・生産を行なっています。同社は長年利用してきたメール監査システムの更改に伴い、HENNGE Oneを導入。社員のメール業務にまつわるさまざまな利便性を向上させると共に、メールセキュリティの強化を実現しました。

今回は、導入にあたり尽力された総合企画部 リスクマネジメント室のお三方に、お話を伺いました。

老朽化したメール監査システム更改を機にHENNGE Oneの導入を決断

今回、メールセキュリティ刷新に取り組まれた経緯と、従前のメールにまつわる課題をお聞かせください

当社が10年来利用して来たメール監査システムが老朽化し、オンプレミスサーバーの保守期限も迫るなど、更改のタイミングを迎えたことがきっかけです。

従来のメール監査システムは、社外にメールを送る際の誤送信防止を主目的に利用してきました。送信時に一時保留され、送ったメールが自分に届き、それを開封してチェック項目を確認し改めて送るという手順を踏む必要があり、非常に手間がかかるものでした。さらに、必ず上長をCCに入れて送るという決まりごとがあり、CCで届くメールを見るだけでも時間がかかるという声がマネージャー層から多く挙がっており、改善したい思いがありました。

そもそもの誤送信防止についてもあくまで自己確認、承認の仕組みであり、監査としても正しい姿とは言えません。そこでこの機会に、もっと安全かつ利便性の高い仕組みに変えたいと考えていたところ、HENNGEよりアプローチがあり、本格的な検討を開始しました。

検討にあたって求められた要件と、HENNGE Oneを採用いただいた決め手について教えてください。

まず前提として、現状利用しているメール監査システムの機能を今よりも利便性高く実現することと、社員にとって使いやすい操作感であることが重要でした。当社は13,000名のうち、メールアカウントを持つ社員が9,200名ほどいますので、操作が複雑で問い合わせが増えると対処しきれません。また、これまでパスワード付きZIPファイルとパスワードを別送するPPAP方式で添付ファイルを送っていましたが、このタイミングでPPAPからの脱却も実現したいと考えていました。

また、安全な大容量ファイル送付の仕組みも求めました。当社では海外拠点に対して大容量ファイルを送る機会が多いのですが、機密性が高い情報も多く、安全な共有が必須でした。これまでは別で用意したデータ共有サイトの利用を事前に申請し、アクセス権を設定してもらった上で使う必要があり、利便性がとても悪かったのです。

検討を開始して翌月には当社にてデモを実施いただき、機能や操作感などを確認しました。検討の結果、HENNGE Oneを採用した決め手としては、第一に、誰にとっても分かりやすい操作感。さらに誤送信防止、脱PPAPと大容量ファイル添付など当社の要件をすべて満たす機能性。そして当社の子会社やトヨタグループでの導入実績が豊富なことが安心感につながり、大きな後押しとなりました。

上申の際は、どのような点をアピールされましたか?

システム導入の際は当然、費用対効果が求められますが、その際に見落とされがちなのが設定を行う運用担当者や、利用者の工数です。HENNGE Oneは従前の仕組みと比べて管理側も利用者側も工数が大幅に削減でき、CCメールを受け取る上長の付随作業も削減できる。本業に注力しやすくなることに加えて、メールセキュリティとしてもこれまでの性善説に基づいた自己監査と自己承認ではなく、正しい姿に導ける点が価値だと考えました。

導入と社内への展開もスムーズに完了

導入および社内展開でご苦労はありましたか?

導入に際しては、これまで利用していたメール監査システムのルールやホワイトリストなどの除外設定を引き継ぐのに、過去の経緯などが不明な点があり少し手間取りましたが、当社と長いお付き合いがあり、社内文化や業務についてよくご存じの代理店とHENNGEがしっかりと連携、度重なる仕様変更にも柔軟にサポートいただいたおかげで、計画通り進めることができました。従来型のシステム構築では企画構想から始まり要件検討、設計などさまざまなプロセスを経る必要があり、とにかく時間がかかるイメージでしたが、HENNGE Oneはクラウドサービスということで、短期間でスムーズに利用開始に至った印象です。

社内展開では、各部署のIT担当の方向けに数回に分けてオンラインで主旨説明と操作方法のレクチャーを行い、部署ごとに展開いただきました。操作方法についてはさほど不明点はなく、HENNGEが公開する手順書やマニュアル類が充実しているので、とても助かりました。旧システムからの移行の時期が一部、年末時期に重なりましたが、HENNGEのサポートチームが通常通り支援してくれたのもありがたかったです。

メール関連の工数削減と業務効率の向上
本業に注力できることなどで効果を実感

導入後の効果についてはいかがですか?

HENNGE Oneの導入で確実な誤送信防止を対策できたことで、従来のメール監査システムの自己承認プロセスを変更する決断ができました。これまでは1通のメール送信にあたり数分かかっていましたので、9,200人の工数で換算すると、非常に大きな業務効率化です。加えて、利便性も高めた状態で脱PPAPを実現できたので、この変更は利便性、安全性の面で費用対効果が高かったと思っています。

また、当社はメールの送受信にMicrosoft 365のExchange Onlineを利用しており、標準機能でバックアップが備わっているのですが、業務上、人事や経理関連のエビデンスなどでメール履歴を遡ろうとしたとき、検索機能が使いづらく、アーカイブのメールを確認するのに時間がかかることが課題でした。HENNGE Email Archiveにより、メールアーカイブからの検索も、より簡単でスピーディーになりました。

上長をCCに入れるルールを撤廃できたことで、マネージャー層は大量に届くCCメールに悩まされることがなくなり、本来業務に注力しやすくなったと好評です。また、海外の事業所に動画などの大容量ファイルを送付する際も、これまでのような事前申請が不要になり、各自のアカウントの中で完結できるようになったことで、かなり利便性が向上しました。

社員の反応としては、以前の仕組みよりも機能が増えて便利になったことから、予想以上に抵抗もなく、すんなり受け入れてくれた印象です。これまで濫用防止の観点で原則禁止、事前に申請が必要だったBCCが使えるようになり、展示会アンケートなどを送る部署からリードタイムが短縮できると好評です。利用開始当初は相手先の操作方法に関する質問が多かった印象ですが、それも数か月で落ち着いて、現状は問い合わせもなく、広く活用されています。管理画面の操作も直感的で分かりやすく、例外処理などの設定や、メールが届いているかの確認を依頼された際も、対処しやすく安心です。

今後もIT、デジタル活用で
セキュリティとリスクマネジメント強化を推進

それでは最後に、今後についてのお考えをお聞かせください。

長く懸案だったメールセキュリティに関しては今回のHENNGE Oneの導入により、さまざまな課題が解消できました。今後は、まだ利用を開始していないIDaaSで、アクセス制御やログイン認証の共通化を検討したいと考えています。

自動車産業ではリスクマネジメントが喫緊の課題であり、その実現にはIT、デジタルの利活用が欠かせません。当社は2024年1月の組織再編で内部統制やガバナンス、コンプライアンスなどを所管するリスクマネジメント室とIT、デジタル利活用を担うデジタル変革推進部が連携して、さまざまな環境変化に対応していく体制となりました。今後も情報漏えい防止をはじめとするセキュリティ強化、サプライチェーン連携強化などに取り組んでいく所存です。