株式会社ファミリーマート

HENNGE Oneで利用者の利便性を保ちつつ、テレワーク時のセキュリティを牢固に

  • 小売・卸・商社

セキュアな環境で報告書の共同編集やビデオ会議などが行え、 全社の働き方改革を促進できます。

— ファミリーマートが注力している取り組みについて教えてください

ファミリーマートは国内・海外を合わせ23,989店舗展開しています(2018年7月31日現在)。このうち、国内は16,878店舗を展開しております。ファミリーマートでは、店舗の規模を追求するのではなく、「質」の向上に注力しております。具体的には、高質店の出店や、加盟店を支援する施策の強化、商品力の強化、次世代店舗の創造に向けた取り組みなどを行っております。また、「地域密着」をテーマに、商圏のニーズを捉えたマーケティングや地域に寄り添った店舗運営に取り組んでおります。

— システム本部の役割を聞かせてもらえますか

システム本部では、ファミリーマートのITの企画・開発・運用などを総合的に担当しています。店舗システムや本部システムを担当する部門があり、システムソリューション部では本部や営業拠点、店舗などで仕事をする約6,200名の社員と業務委託先から常駐しているスタッフに対し、グループウェアなどの情報システムやパソコン、モバイル端末などのサービスを提供しています。

近年、ファミリーマートでは働き方改革に力を入れ、様々な施策を打ち出しています。その一環としてトップの号令のもと2017年6月にGoogleと提携し、同社のソリューションを活用する方針が決まりました。そして、約8,400ユーザーが2017年10月からGoogleのクラウドサービス「GSuite」の利用を開始しています。

— Google Workspaceの導入で働き方の変化はありますか

メールやスケジュールなどの機能に加え、従来利用していたグループウェアにはないSNS機能として「Google+」の活用も一部で進んでいます。例えば、店舗の経営指導などを担当するスーパーバイザーが商品の陳列方法やイベントなどの写真をスマートフォンやタブレット端末で撮り、Google+で店舗の様子を手軽に共有できるようになりました。  

また、2018年2月の北陸地方の大雪では、本社から延べ300名を超える社員が応援にかけつけ、店舗の雪かきや商品陳列などを支援しました。こうした活動もGoogle+を使って報告されています。従来、写真をアップして共有する場合、本部に依頼する手続きが必要でしたが、現場から直接、情報が上がるようになってきたことも、Google Workspaceの導入効果と言えます。

— ほかには、どんな活用法がありますか

チャットやビデオ会議が行えるGoogleハングアウトや、Googleスブレットシートなどの活用も始まっています。例えば各地域の担当者が定例会議を行う場合、会議を開催する拠点にわざわざ足を運ばずに、カメラ付きタブレット端末を利用してビデオで会議に参加することも可能です。従来から管理職向けにWeb会議システムを用意していましたが、ハングアウトであればだれでも手軽にビデオ会議を利用でき、会議にかかわる移動時間や交通費の削減も見込めます。

さらにGoogleドキュメントを利用して会議の議事録をその場で作成、共有することも可能です。残業して報告書や議事録をまとめる作業が減り、働き方改革にも役立っています。

— HENNGE Oneの導入経緯について聞かせてください

クラウドサービスを利用する上でセキュリティ確保が不可欠です。そこで、Google Workspaceと同時にHENNGE Oneを8,400ユーザーに導入しています。HENNGE Oneを採用したのは、Google Workspaceとの組み合わせで豊富な実績を持っていたことと、認証機能を評価したためです。加えて、Google WorkspaceとHENNGE Oneの導入をサポートするITベンダーが推奨してくれたことも決め手となりました。

以前は社外でメールを確認する際、タブレット端末より仮想化基盤を利用していましたが、パスワードの入力などでログインに手間がかかるといった課題もありました。従来からスーパーバイザーや店舗開発担当者向けに約4,000台のタブレット端末を支給してきました。今回、働き方改革の一環としてスマートフォン貸与者を拡大し、ほぼ全社員の合計約7,000台となっています。スマホを使って外出先からメールやスケジュールを安全かつ手軽に確認できるようになり、ユーザーから喜ばれています。

— 「安全かつ手軽に」とはどのようなことですか

システムソリューション部では、「Google Workspaceの利用に必要なセキュリティを担保するので、ユーザーのみなさんはGoogle Workspaceを自由に使って業務や働き方改革に役立ててください」というスタンスです。Google Workspace利用時のセキュリティを担保するため、社外で利用するモバイル端末と社内で利用するパソコンの両方について、許可された端末のみアクセスできるように認証する必要があります。

社内のパソコンについては、MACアドレスで認証して社内ネットワークにアクセスする端末を制限できます。一方、モバイル端末は別の方法が必要でした。そこで、HENNGE Oneのオプションサービスとして提供されているHENNGEデバイス証明書を利用しています。

HENNGEが発行するデバイス証明書をモバイル端末に登録し、デバイス証明書を保持する端末からのみGSuiteへのアクセスを許可する仕組みです。ファミリーマートではデバイス証明書のある端末はログイン時のパスワード入力を不要にするなど、手軽にGoogle Workspaceを利用できます。

— メールセキュリティはどのようにしていますか

従来はグループウェアと個別のメールサービスを組み合わせ、誤送信防止やアーカイブを行っていました。ところが、Google Workspaceにはこうしたメールセキュリティの機能がありません。そこでHENNGE Oneのメッセージングセキュリティとして提供される誤送信防止の一時保留機能や、メールを一定期間保管するアーカイブ機能を利用しています。

メールの誤送信などで情報漏えいがあってはなりません。社員はメール送信時に宛先や内容を確認する習慣がついていますが、一時保留機能は、万一に備え、社外への送信メールを一定時間保留できるので安心感があります。アーカイブについても、以前のメールサービスで利用しており、Google Workspaceにないアーカイブなどの機能をHENNGE Oneでカバーできるので助かっています。

— HENNGE Oneの導入効果と今後の展開について、どう考えていますか

HENNGE Oneの利用を開始してから半年が過ぎたところですが、トラブルもなく、安定稼働しており、安心できます。また、モバイル端末を利用するユーザーはデバイス証明書により、パスワードを入力する手間がなくなり、安全性と利便性を両立するアクセスセキュリティを実感しているようです。

Google Workspaceの導入直後と2018年2月の2回にわたり、Googleフォームを利用して全社員にアンケート調査を行ったところ、以前より便利になったとの声が7割を超えています。

とはいえ、Google Workspaceの機能を十分に使いこなしている人はまだ一部にとどまっているのが実情です。これまで活用のキーマンとなる約500名のアンバサダーを本部や地域の拠点ごとに決め、活用法などを資料ベースで指導してきました。今後はシステムソリューション部の担当者が中心となって各地域を訪問し、活用事例などを交えながら勉強会を進め、働き方改革に役立てていく計画です。また、社内のポータルサイトで活用事例を紹介するなど、様々な取り組みを続けていきます。

ファミリーマートではGoogle Workspaceのほかにも、クラウドサービスを積極的に活用しています。他のクラウドサービスのアクセスセキュリティとして、HENNGE Oneをどう活用していくかは今後の検討課題ですが、社員がよりセキュアな環境で仕事が行える新たなサービス基盤の提案などをHENNGEに期待しています。