大東建託株式会社

HENNGE Oneでメールセキュリティ強化と業務効率向上を両立
Boxでのセキュアなファイル共有でDX推進を加速

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HENNGE Oneでメールセキュリティ強化と
業務効率向上を両立
Boxでのセキュアなファイル共有でDX推進を加速

大東建託株式会社は、賃貸住宅の管理戸数で国内トップを誇る総合不動産会社です。土地活用から賃貸住宅の建設、管理、仲介までを一貫して手掛ける強みを活かし、近年は米国市場に参入するなど、海外展開も積極的に進めています。DXによる業務効率化で顧客体験の向上など新たな価値創造を推進中の同社は、この度、HENNGE Secure Download for Boxを導入。メールセキュリティのさらなる強化と業務効率向上の両立を実現しました。

今回は、プロジェクトを推進した情報システム部 システム管理課 課長の遠藤孝様と、チーフの髙崎真史様にお話を伺いました。

2017年、グループウェア刷新を機にメールセキュリティ強化に着手

前段として2017年当時、HENNGE Oneを最初にご導入いただいた経緯からお聞かせください

当時、長く利用して来たIBM Lotus Notesから、クライアントに依存せず、デバイスを選ばず利用できるブラウザベースのグループウェアに変えたいという動きがあり、グループウェアとメールを個別に検討するプロジェクトがスタートしました。当社は業務上、図面や建物の写真など機密情報も含む添付ファイルが非常に多くやりとりされます。そこで、そもそもメールを利用できる、さらにその中で添付メールを外部に送信できるのは一定の職位以上の従業員に限定するなど、厳しめの運用を行っています。

さらに当時は、「社外に添付ファイルを送付する際は、パスワード付きのZIPファイルで送付する」というルールを定めていましたが実行の仕方は従業員任せで強制力が弱く、定期的な監査の必要がありました。そこでメールをリプレイスするにあたって「自動でZIP暗号化の上で送付できる仕組み」を要望し、複数社から提案を受けました。そしてその結果、メールはMicrosoft Office 365のOutlook、加えてHENNGE One(当時名称:HDE One)を組み合わせて利用することを選択した、というのが経緯です。(遠藤様)

選定の際、決め手となったポイントは何でしたか?

従業員に面倒な作業をさせることなく、メールによるファイル送信の安全性を高められることです。添付ファイルのZIP暗号化が自動化されるため、従業員は意識することなく安全なファイル送信を強制的に行えるようになりました。また、メールの誤送信防止対策として、送信後の取り消し機能があることも決め手となりました。(遠藤様)

— 次のステップとして、2022年にHENNGE Secure Downloadのご利用を開始された背景についてお聞かせください。

この時は、脱PPAP対策として導入しました。2020年11月に内閣府と内閣官房からセキュリティ上好ましくない、ということでパスワード付きのZIPファイルを送信する方式の廃止が発表され、話題となりました。当社としてもZIPファイルでのやり取りがマルウェア感染の引き金になることを憂慮し、脱PPAPの実施を決めました。(遠藤様)

Boxの全社活用に際し、HENNGE Oneの連携機能を採用した理由

そして今回、Boxとの連携機能であるHENNGE Secure Download for Boxを採用いただきました。この経緯をお聞かせいただけますか?

まずクラウドストレージであるBoxの導入については、DX推進の観点で社内に散在するファイルを一か所に集約し、有効活用していくことが狙いです。また、電子帳簿保存法への対応という側面もありました。前述の通り、当社はOffice 365を利用していますので、当初はSharePointなどMicrosoftのサービスを検討しましたが、容量制限がネックでした。そのため、ストレージ容量無制限で利用できるBoxを選定しました。(遠藤様)

その上で、これまでHENNGE Oneのクラウドに保存されていたメール添付ファイルもBoxに集約したいと考え、Boxと連携可能なメールサービスを改めて検討しました。当社から送信する際の脱PPAPは既にHENNGE Secure Downloadで対応できていましたので、受信側も同様に対策したいと考えたのです。(髙崎様)

Boxとの連携については、当初からHENNGE Secure Download for Boxが候補だったのでしょうか?

もちろん有力候補ではありましたが、他社のサービスとの比較も行いました。(遠藤様)

比較の結果、HENNGE Secure Download for Boxを選定された決め手は何でしょうか?

別のシステムに切り替えるとネットワーク周りの変更や切り替えなどのリスクがあり、動作検証も必要になります。その点、HENNGE Oneは長年にわたりトラブルも一切なく、安定稼働していた為、信頼性も高く、サポート面でも安心できると判断し、HENNGE Secure Download for Boxを採用しました。(髙崎様)

Boxとの連携において、最も重要視されたことは?

特に今回は取引先のお客様が利用されるものですので、問い合わせが殺到するような事態は避けたく、これまでのオペレーションを変えないという点にはこだわりました。HENNGE Secure Download for Boxであればその点も実現可能であることが分かり、安心しました。(遠藤様)

HENNGE Secure Download for Boxの機能を利用されるにあたっての設定変更などは順調でしたか?

はい。Boxと連携するにあたっての一連の作業もベンダーやHENNGEのサポートにご支援いただき、スムーズに行うことができました。(髙崎様)

導入後、ファイル送受信の業務効率化とセキュリティ向上を実感

— 現在のご利用者は、どのくらいの規模でしょうか?

HENNGE Oneのアカウントとしては、約2万人が利用しています。(髙崎様)

— ご利用状況について、お聞かせください。

当社の従業員はこれまで通り、自分でZIP圧縮やパスワード設定などの面倒な作業をすることなく、メールに添付すればHENNGE One経由でセキュアにファイルが送信できて、かつファイルの置き場は自動的にBoxに集約されます。またファイルの送信に加えて取引先からの受け取りもすべてBoxを介することで、Boxの標準機能であるウイルススキャンを経て、さらに安全性が高まります。(遠藤様)

— 取引先への案内や告知はどうされましたか?

当社のコーポレートWebサイトで、「圧縮ファイル添付メールの利用廃止に関するお知らせ」を2024年3月12日付で告知しました。加えて、個別に取引先にご案内する、問い合わせがあった際に活用できる書面も用意して、社内に展開しました。(遠藤様)

— 社内および、取引先からのご反応はいかがでしたでしょうか?

一部の取引先で、会社としてBoxに接続を許可していないケースもあり、初期はその問い合わせがいくつかありました。その場合はまず先方社内でご確認いただき、どうしてもBox利用がNGである場合は、担当する従業員から当部へ申請してもらい、個別に対応するフローとしています。必要なファイルがやり取りできないと業務に支障をきたしますので心苦しいのですが、ZIPファイルでやり取りすること自体がセキュリティリスクになるため、引き続き弊社とお取引先双方のために、こういう仕組みを利用する必要があるということを啓蒙していきたいと考えています。(遠藤様)

— ご利用開始から約1年が経過し、HENNGE Secure Download for Boxの導入効果について、どのようにお感じでしょうか?

従業員はファイル送付の手間が軽減し、業務効率は明らかに向上しています。また、HENNGE Oneを導入したことで、ZIPファイルでのやり取りの禁止が単なるルールから必須とすることができ、確実にセキュリティ強化につながっていると感じています。また、すべてのファイルのやり取りの履歴がしっかり残っているという安心感も、非常に大きなものがあります。(遠藤様)

加えて、誤ったファイルを送信してしまった場合に本人が送信取り消しできる点も安心です。また、利用者から問い合わせがあった際もHENNGE Oneの管理画面から該当のメールを検索して状況がすぐに把握できるので、管理部門としてのユーザー対応も、安心です。(髙崎様)

さらなるセキュリティ強化と業務効率向上を目指す

— 今後の取り組みについてのお考えをお聞かせください。

当社はDXに非常に力を入れており、2年ほど前に推進部門も立ち上げ、IoTやAIなどを活用した、業務効率や顧客体験の向上などを目指しています。働き方についても変化しており、3年ほどかけて全従業員へのスマートフォン展開が完了しました。今後は社外でのメールやMicrosoft Teamsなどの利用、社内システムへのアクセスも段階的に増えていくことが予想されます。(遠藤様)

そのため、いま関心があるのはモバイルデバイスにおけるセキュリティ対策です。HENNGEにもセキュリティ強化に繋がるソリューションがあると思いますので、検討したいと思います。(髙崎様)

それでは最後に、当社へのご要望やご期待について、お聞かせください。

HENNGE Oneを利用開始してから8年近く経過しますが、この間、大きな障害もなく安定して稼働していることは素晴らしいと思います。メールセキュリティについてもまだ当社では一部の機能しか利用できていませんので、これからより一層、当社のセキュリティ強化や利便性向上に有効な使い方や機能について、アドバイスいただけることを期待しています。(遠藤様)