Slack、Google、Salesforce、AWSなどのID管理、アクセス制限を実現するIDaaSとしてHENNGE Oneを活用しています。
— ネットプロテクションズの事業概要を教えてください
当社は通販事業者向けにリスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」を提供している金融ベンチャーです。年間流通総額は3,500億円、後払い決済総合プロバイダーとして業界No.1です。2000年に設立され、2002年から「NP後払い」サービス提供を開始しました。従業員数は310名、業務委託パートナーも含めてIDアカウントは600ユーザーになります。平均年齢が28歳、金融決済業務という堅いサービスにしては、若い社員が中心の企業です。
— 事業拡大のなかで立ちはだかったコミュニケーションの課題
2016年から2018年にかけて、会社の規模が急激に拡大しました。社員数は約2倍に拡大し、拠点の数も倍以上となりました。組織が大きくなることで、部署の縦割り意識が強くなり、当社本来のフラットでオープンな組織風土をベースにしたコミュニケーションとナレッジマネジメントのあり方がうまく機能しなくなりつつありました。
このような課題を解決するために新たなITツールが必要となりましたが、その選定に当たっては、選定時の機能比較にとらわれないようにしました。クラウドサービスは、数年で大きく変わっていきます。その都度乗り換えるとなると大きな手間がかかります。そこで、当社の一緒に成長し、長くおつきあいできるベンダーが提供するサービスを選定したいと考えていました。結果としてコミュニケーションについての課題解決のためにSlackを導入することに決定しました。
— Slack導入において、具体的な課題となったのは何でしたか
当時利用していたチャットツールではナレッジが残らず、情報収集するためだけに打ち合わせが開かれるようになってしまいました。伝言ゲームのように社内の情報流通が劣化し、各メンバーがどういう状況でどういう流れで仕事をしているのかがわかりにくくなってきました。
これらは以前より内在していた問題だったのでしょうが、人が増え、物理的に離れることで、明確な課題として立ちはだかってきました。そのような実情に直面したことから、これまでとは異なる、新たなコミュニケーションツールの必要性を感じていました。
選定にあたりポイントとなったのは、いかにコミュニケーションをオープンにできるかという点と、ナレッジとして蓄積できるかという点です。当社では、事業の状況や経営層を含む各部門の議事録までも社員に向けて公開されています。また、新卒からベテランまで、みんなで目線をすり合わせて意思決定するという風土があります。Slackは情報を「公に開示する」という設計思想を持っており、それが当社にマッチすると感じました。Slackを導入することでコミュニ―ケーションが活性化し、事業推進や新人育成までもスピードアップできると確信し、採用を決定しました。
–Slack導入後の効果はいかがでしたか
オンラインでのコミュニケーションの質と量が向上しました。スタンプ等を利用することでオフラインと同様にフランクな雑談もSlackで実現できるようになりました。Slackでの個人的なつぶやきなど、思わぬところから企画が始まることもあります。加えて、情報の透明性も向上しました。パブリックチャンネルのおかげで情報共有のためのミーティングが激減しました。コミュニケーションのトレーサビリティも容易になっており、話の発端をつかみ、どのように変遷していったかが時系列で把握できます。他ツールからも連携した情報が流れ込んでくるので、ナレッジとして溜まりやすいことも大きな効果です。
–どのような課題解決のためにHENNGE Oneを導入することとなったのでしょうか
当社ではSlackのほかにGoogle Workspace、Salesforce、AWSを導入しておりました。複数のサービスが導入されることで管理が煩雑になっていましたし、会社規模が拡大するなかで社内統制も必要となっていました。一方で、自由な働き方を大切にしたいという当社の社風を実現するために、リモートワークへの対応が必要になっていました。このような課題を解決するために、複数のクラウドサービスと連携できる認証サービスを導入することが必要となりました。
— HENNGE Oneを選んだ理由を教えてください
まずは、当社が利用しているクラウドサービスの全てと連携できる点です。加えて、導入やサポートの手厚さが評価ポイントとなりました。HENNGE Oneは当社が利用する全てのクラウドサービスと連携が可能です。Google Workspaceとの連携に関してはActive Directoryとアカウント管理を自動連携でき、既存の運用を変更する必要がありません。ご提案のなかで導入時だけではなく運用後も手厚いサポートをいただけると期待できました。
–HENNGE One導入後の効果はいかがでしたでしょうか
導入後、現場部門からもそれぞれで利用しているクラウドサービスとHENNGE Oneを連携させてほしいというリクエストがあり、順次対応してきました。昨今、リモートワークが増加していますが、主要なクラウドサービスはHENNGE Oneに連携されているので、スムーズに対応できています。アクセス制御やアカウント管理が1つのツールで実現できることで、目的としていた自由な働き方に近づくことができており、導入効果を実感しています。
— それぞれのサービスの導入成功の要因をどのように捉えていますか
一般に、ITツールは現状で抱えている不満や問題を解決する手段と考えられています。当社ではそれだけではなく、理想の未来を考え、それに近付ける手段としてITツールを位置づけています。自分たちはどのように成長していきたいか、どのような働き方をしたいのか、理想の未来を描いて、それに近づくための方法としてITツールを活用するという考え方です。当社では、自律・分散・協調を目指す組織として、情報をオープンにし、情報流通を活性化させたいと考えていました。それにより個々人が多角的な観点を持ち、意思決定ができ、ダイナミックなコラボレーションを生み出せるようになるためにSlackの導入が必要でした。同時に、統制が強化される中でより自由な働き方を求めHENNGE Oneを導入しました。これからも、それぞれのベンダーおよびツールとともに成長し、当社のミッションである「つぎのアタリマエをつくる」を実践していきます。