
不動産管理会社や賃借人向けの「家賃債務保証業」および不動産管理支援を主力とするNSグループ株式会社。2025年に上場を果たした同社は、Microsoft 365の導入に併せ、認証とメールセキュリティ機能の補完を目的にHENNGE One Proを採用しました。今回は情報システム部 社内ITサービスチーム課長の髙井大介氏と同チームの米谷和哉氏、ならびに同部課長でセキュリティガバナンスチームの森下貴博氏に、その狙いを伺います。
利便性と安全性を両立する基盤づくり
Microsoft 365を補完する認証・メールの統合
— はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。
髙井氏: 当社は、独立系の家賃債務保証のリーディングカンパニーである日本セーフティー株式会社を中心とした企業グループです。主力の家賃債務保証サービスでは、賃貸契約の際に連帯保証人の役割を担うことで、オーナー様・不動産管理会社様・賃借人様を支えています。全国に拠点網を持ち、健全な財務基盤を強みに「住まいの安心」を支えてきました。2025年12月に東証プライム市場へ上場、商号も変更し、新たな成長フェーズへと歩みを進めています。

— Microsoft 365導入の狙いと、併せてHENNGE Oneを活用することになった経緯をお聞かせください。
髙井氏: メールやTeamsなど、社内外で活用するコミュニケーション基盤整備を目的にMicrosoft 365を導入しました。当社が導入したのはOffice 365 E3で、認証やアクセス、端末の制御などを担うには、Entra IDやIntuneを含む上位ライセンスが必要となり、高額になります。そこで構築ベンダーより、認証からメールセキュリティまで1ソリューションで提供されるHENNGE Oneとの組み合わせが、コスト面、機能面からも有効との提案を受けました。その上で、現在必要な機能だけでなく今後必要となるであろう機能までを見据えて、最上位のHENNGE One Proプランを選定しました。
— 導入および社内展開で工夫された点、その過程での当社サポートについてはいかがでしたか?
米谷氏: HENNGE OneとMicrosoft 365とのフェデレーション(連携)は構築ベンダーにお任せしましたが、やり取りも少なく順調でした。設定についてもHENNGEご担当者のヒアリングに回答していくだけで、当社に合った運用ルールまで考え、提案してくれました。Microsoft 365側の構築に時間を取られるなか、HENNGE One側はつまずく箇所もなく、滞りなく進められたのは助かりました。

髙井氏: 社内への展開もメーラーがこれまで通りOutlookなので、利用者は、新たな製品が加わったと気づかないほどスムーズに移行できました。特段、社内説明会などは実施せず、マニュアルを配布したのみでしたが、使い方に関する問い合わせもHENNGE Oneについては、ほとんどありませんでした。
認証からメールセキュリティまで一つの基盤に集約
上場企業としての統制と現場の利便性を両立
— 導入による効果について、実際の活用の流れに沿ってお聞かせください。まずは安全なアクセス環境の構築やログインの利便性向上において、どのような変化がありましたか?
髙井氏: 認証基盤であるHENNGE Access Controlを活用し、社外からはパスワードとデバイス証明書による多要素認証で、会社が認めた端末にのみアクセスを許可。社内からはIPアドレス判定で、認証を経ずに利用できる仕組みを構築しました。これにより経営層が懸念していた、私用PCやネットカフェなど会社の管理が及ばない端末や通信から業務情報にアクセスされる不安を払拭できました。
加えて、各SaaSへのログインをSSO(シングルサインオン)で一元化し、都度のログインが不要になりました。Active Directoryのグループポリシーによる月1回のパスワード変更義務付けとも連動させることによって、利便性とセキュリティ強化を両立できています。
— 日常的なメール送信やファイル共有など、現場のやり取りにおける安全面や効率面はいかがでしょうか。
髙井氏: メール誤送信対策(HENNGE Email DLP)では、登録のない宛先へのメールは上長が内容を確認、承認しなければ送信できない当社のルールを、そのまま引き継ぐことができました。さらにスマートフォンなどのデバイスで社外でも承認できるようになったことで、特に管理者層から好評を得ています。
また、脱PPAPのHENNGE Secure Downloadでは、ファイルを添付すれば自動的にダウンロード用URLに変換されるので、当初は「本当にこのまま送って大丈夫?」といった戸惑いの声もありましたが、ZIPで暗号化して解凍用パスワードを別便で送るといった従来の煩雑な手間がなくなり、とても好評です。取引先への周知や問い合わせ対応も、HENNGEが公開している案内文などを用いて、特に大きな混乱もなく行えました。
米谷氏: 大容量ファイルの送受信(Secure Transfer)についても、これまで部署ごとに異なる外部サービスを使っていましたが、本サービスで送受信のログを一元的に管理することで、安全性を高めたいと考えています。
— メール脅威への早期予防や、統制強化、社員教育に向けた今後の活用イメージはいかがでしょうか?
髙井氏: メール脅威対策(Cloud Protection)で検知状況を毎日確認しています。たとえば社員のメールアドレスが外部の漏えい情報に含まれていると分かれば本人にパスワードの変更を促すなど、これまで気づきようがなかった予兆が、早い段階でつかめるようになりました。
米谷氏: クラウド上のファイル共有状態の可視化(HENNGE File DLP)やメールの長期保存(HENNGE Email Archive)については、どちらも日常的に頻繁に使う機能ではありませんが、上場企業に求められる統制への備えとして今後、活用に期待しています。
森下氏:標的型攻撃メール訓練(HENNGE Tadrill)も、プライバシーマーク取得企業として、社員へのセキュリティ教育に欠かせません。外部に委託すると実施のたびに費用がかかり、頻度も保てないことが悩みでした。その点Tadrillは追加費用なく任意のタイミングで何度でも実施できる。いま、初回実施に向けた準備を進めており、段階的に頻度を高めていく考えです。

認証の一元化で、セキュアなSaaS利用を促進
今後、ユーザー同士をつなぐ場の充実にも期待
— 改めて、製品およびサポートへの全体的な評価をお聞かせください。
森下氏: HENNGE Oneは、当社が上場を維持する上で欠かせない基盤となっています。こちらの要望を速やかに反映してくれる、アップデートが頻繁であるなど、製品の着実な進化が実感できますし、国産である点も含め、運用する上での安心感は高いです。
— 今後のDX・セキュリティの展望と、HENNGEに期待することをお聞かせください。
髙井氏:現在、基幹システムの刷新計画が進行中です。その他、これからもさまざまなSaaS利用が想定されますが、HENNGE Oneに認証を集約することで、端末やアクセスの制御を一元的に管理できると期待しています。
森下氏:現在も実施されているユーザー同士の交流会イベント (* HENNGE では、HENNGE One ユーザー同士の交流の場として、chameleon というユーザーコミュニティを展開、不定期でオフラインでのイベントも実施 ) を、これからさらに拡充いただきたいと希望します。異業種でも認証やセキュリティなどの悩みの多くは共通しますので、他社がどんな設定や運用で対応しているのかを直接聞くことができると、とてもよい学びとなります。HENNGEにはこれからも、ユーザー企業に寄り添った支援を期待しています。