株式会社筑波銀行

筑波銀行がHENNGE Oneで実現したマルチSaaS時代の認証基盤

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筑波銀行

筑波銀行は、20年以上利用してきたグループウェア中心の業務環境から、メールやファイル共有などを段階的にSaaSへ移行し、様々なSaaSを組み合わせたマルチSaaS構成環境の整備を進めています。そこで認証基盤として採用したのがHENNGE Oneです。

現在は約2400IDを運用し、メール製品やナレッジ管理システムなど複数のサービスの認証を一元化。デバイス証明書やワンタイムパスワードアプリであるHENNGE Lockを活用しながら、利用者の負担軽減とセキュアな環境の両立を実現しています。

同行事務統括部システム企画グループの塩崎晴章様に、HENNGE One導入の背景や選定理由、導入効果について伺いました。

IDとパスワードを打たせる文化からの脱却を目指し
グループウェア中心の環境からマルチSaaS構成への移行を決断

― HENNGE One導入前の課題についてお聞かせください。

株式会社筑波銀行は、昭和27年9月の設立(平成22年3月の合併により現・筑波銀行発足)以来、「地域のために 未来のために」というコーポレートスローガンのもと、「地域になくてはならない銀行」を目指し、茨城県を中心とした地域のお客さま一人ひとりの豊かな生活と地域社会の繁栄に寄与し続けています。預金業務や貸出業務、有価証券投資業務等の総合的な金融事業において豊富な実績を持ち、近年ではシステム・事務統括部門等を軸にITを活用した高度なセキュリティ体制と業務効率化を推進。信頼される金融サービスの提供に取り組んでいます。

当行では20年以上もの間、メールや各種アプリケーションなど多くの業務をひとつのグループウェアで運用しており、行内業務を支える基盤として定着していました。そんな中、出向などで他行の先進的な仕組みを見てきた私は、当行もこれまでのレガシー環境から脱却し、アップデートしていかなければならないという課題意識をもっていたんです。

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― マルチSaaS構成へ移行するきっかけは何だったのでしょうか。

転機になったのは、数年前に当行全体のインターネット利用基盤の刷新を行ったことです。従来の環境を見直す中で、これまでのように自前ですべての仕組みを構築・運用するのではなく、外部サービスを活用しながら安全性と利便性を両立していく方向へ舵を切りました。その取り組みの一つとしてクラウド型セキュリティサービスを導入しました。それが成功体験となり、メールやファイル共有、コミュニケーション基盤などのあり方を見直すきっかけにもなりました。

そして、マルチSaaSで業務環境を整えようとしたとき、従来の認証の運用では限界があるとも感じていました。定期的にパスワードを変更する運用は利用者の負担になりますし、サービスごとにIDやパスワードを管理しなければなりません。認証は必ず共通の基盤を経由する形にしたい。なにより、ユーザーにIDとパスワードを打たせる文化から脱却したいと考えていました。

SAMLとSCIMを必須要件に認証基盤を選定
複数製品を比較し、HENNGE Oneを採用

― HENNGE One採用の決め手について教えてください。

認証基盤の検討では複数の製品を比較しました。その中で絶対条件にしていたのが、SAMLとSCIMへの対応です。また、人事異動や入退職の際のユーザー管理をできるだけ自動化したいと考えていました。加えて今後利用するSaaSとの連携性も重視していました。そうした要件を一つひとつ確認していくと、「HENNGE Oneしかない」という結論に至ったんです。他社製品は、機能面では優れていても、当行の規模や運用を考えるとコストとのバランスが合いませんでした。

HENNGE Oneはデバイス証明書の思想が印象的でしたね。理解していくと非常に理にかなっているなと。「ネットワークだけを信頼するのではなく、利用している端末やユーザー本人も含めて判断する」という考え方には非常に納得感がありました。また、役員に説明するうえでは国産ベンダーであることも評価ポイントだったようで、意思決定もスムーズに進みました。

― 導入の際に意識したことはありますか。

ユーザーにも管理者にも「無理のない導入」を進めることです。20年以上利用してきたグループウェア環境ですから、「今日からこれを使ってください」と一斉に切り替えることはせず、旧環境と新環境を並行運用しながら、ユーザーが徐々に新しい環境へ慣れていけるようにしました。今でも従来のグループウェアは利用していますし、すべてを一度に置き換える必要があるとも考えていません。重要なのは、「新しいサービスを利用した方が便利だ」とユーザー自身に感じてもらうことです。その結果として、自然に利用が広がっていく状態を目指しています。まずはアプリを使用したワンプッシュでのログインに慣れてもらう。小さい成功体験を積み重ねながら、徐々に新しい環境に慣れてもらうことを意識していました。

デバイス証明書やHENNGE Lockを活用し利便性とセキュリティを両立

― HENNGE One導入後、どのような効果を感じていますか。

現在は約2400IDで運用し、複数のサービスの認証基盤として活用しています。導入後に強く実感したのは、認証基盤の運用負荷が大きく下がったことです。「IdPってこんなに便利なんだ」と、率直に驚きました。「まずHENNGE Oneを通す」という考え方で入口を統一することで管理がしやすく、多要素認証を満たしたユーザーだけが各サービスへアクセスできる構成になっています。

― 特に有効だと感じている機能はありますか。

ワンタイムパスワードアプリのHENNGE Lockはユーザーから非常に好評です。通知型認証なので、ユーザーはスマートフォンに届いた通知を確認して承認するだけ。パスワードを何度も入力するよりも簡単で、利便性を損なうことなく、多要素認証を実現できるのは大きいと思います。それに、理想論だけを追わず、段階的にセキュリティレベルを高めていけるところもHENNGE Oneの良さですね。当行の場合、理想を言えばデバイスとユーザーを完全に紐付けた環境が望ましいと思っています。

ただ、現実にはユーザーのリテラシーや運用面とのバランスも考えなければなりません。「いきなり100点を目指すのではなく、まず80点を確実に達成し、少しずつ理想に近づけていく」そういった柔軟性があるのは有り難いですね。現在は認証基盤として安定して稼働していますし、「認証はHENNGE Oneに任せられる」という安心感もあります。

― 新たな認証基盤を定着させるために何か工夫はされましたか。

当初は自社ポータルから各サービスへアクセスする形を採用し、ユーザーが違和感なく新しい環境を利用できるようにしました。ユーザーにとっては、仕組みよりも使いやすさが大切。その裏側でセキュリティが強化されていればいいと思っています。その結果、大きな混乱なく新しい環境が浸透し、チャットツールなども本部を中心に定着していきました。

「HENNGE Oneからセキュリティの考え方を学ばせてもらった」
次世代の認証基盤を支える、信頼できるパートナーへ

― 今後の構想について教えてください。

現在はVDI環境の更改を見据えながら、次世代のセキュリティ基盤の整備を進めています。ひとつのグループウェアにロックインせずにゼロトラスト環境を実現していく構想です。その中で、HENNGE Oneは認証基盤の中核を担う存在と捉えています。既存のセキュリティソリューションとも組み合わせながら、全体最適を目指していく考えです。

もちろん、サービス選定にはすごく汗をかきますが、我々システム部門の仕事は、そこにあると思っています。コストダウンと効率化を両立していくためには、HENNGE Oneは欠かせないものだと思っています。

― 最後に、HENNGE Oneへの期待についてお聞かせください。

HENNGE Oneの検討段階では「なんでこんな仕様なんだろう」と思うこともありました。しかし、使っていくうちに、「こういうリスクを防ぐために、この仕様になっているんだ」と、一つひとつに意味があり、セキュリティにおける確かな思想があることが理解できるようになりました。

ですから、最初は制約のように感じていた部分も、今では必要な仕組みだと腹落ちしていて、HENNGE Oneからセキュリティの考え方を学ばせてもらったような感覚があります。認証の重要性がますます高まる中、HENNGE Oneは単なる認証基盤ではなく、次世代のセキュリティを支える重要なパートナーになっています。今後もHENNGE Oneを中心に、利便性とセキュリティを両立した環境を目指していきます。